エプロンのはなし

お店で昔から扱っているシンプルなリネンやコットンのエプロンはご近所に住むkacoさんの作。
そのシンプルさと使い勝手の良さで料理人やカフェをしている人達の愛用者が多いのですが、そういった人達は日々かなりハードに使うので、ダメージも大きい訳です。負荷のかかる場所が同じだったり、穴があいたり、シミやボールペンの跡がつく、紐が引きちぎれてくる、漂白で布地が薄くなる等など。
でも大丈夫、kacoさんがとても素敵に繕ってくれます。
そういった訳でここ最近お直しのご依頼を受けることが続いているのですが、使い込んだエプロンは、それはそれは働いて、いい感じにくたびれていて、新品と比べたらほんとに同じものなの!?と目を疑うような雰囲気を醸し出しており、それぞれの場所で大切にされて過ごしてきたんだなぁと感じずにはおれない様相。
先日受けたエプロンは青森県から依頼が届き、開けてみるともはやアンティークの風合い。所々に焦げ目や穴もあります。紐は辛うじてちぎれてはいないけれど時間の問題。そして可愛い丸いパッチがしてあったり、負荷のかかる場所に当て布がしてあったり、繕いながら使っていただいていた跡がそこかしこに見えました。持ち主からの丁寧なお手紙も添えられていて、なんとこのエプロンは海を越えてロシアまで旅立ち、そこでも働いていたのだそう。丸い可愛いパッチはロシア滞在時に家政婦さんが施してくれたものだったようです。
そんな一枚に物語の詰まったエプロン。kacoさんがまた生まれ変わらせてくれました。
持ち主からのリクエストで、足さばきのいいようにスリットを入れたり、胴回りの補強をしたりも。
これからまた青森に帰るエプロンのちょっとしたエピソードでした。
行ってらっしゃい。
また会いましょう!

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