2020.8.5

ずっと読みたかった武田砂鉄の『わかりやすさの罪』を読む。靄が晴れるような気分。あらゆる場面で、短時間且つ明瞭な説明ができる人をもてはやす様な風潮に一石を投げ、理由のあるもの、有効なものばかりを獲得するようになってしまった私たちを憂う。“人の心をそう簡単に理解してはいけない。そのまま放置することを覚えなければいけない。理解できないことが点在している状態に、寛容にならなければいけない。あまりに理解が混雑している。(中略)話の帰結のために言葉を簡単に用意しない。言葉は、そこから始めるためにある。終着を出発に切り替える作業は、理解を急がないことによって導かれるはずである”